海洋教育促進プログラム お茶の水女子大学

教材開発

海の中で起こる生命のスタートを顕微鏡でのぞいてみよう!
「海からの贈り物(ウニ)」教材配布の募集!!

小学校・中学校・高校の先生方へ

発生の実験材料として、生きたウニではなく、冷蔵庫で保存できる卵と精子を送付します。あまり経験の無い方でも簡単にできます。(顕微鏡やスライドグラスなどの器具は学校でご用意ください)
多くの学校へ提供可能です(100校程度)。提供は無料です。1月下旬から2月に実施。

送付セット

送付品:

  • 未受精卵(250ml か 50ml の容器で、1クラスあたり 50ml 分を3匹分)
  • 精子(0.5ml 容器、クラス数)
  • 海水(ペットボトル)

荷物を受け取ったら、まず未受精卵と精子を冷蔵庫(4℃)に入れて下さい。海水は室温で大丈夫です。

壊れた卵

未受精卵の容器の記号(アルファベット)は産んだ雌の違いです。場合によっては早く壊れ始めることがあるので念のため3匹分をお送りします。
事前にチェックして調子のいいものを選んで使って下さい。

受精と観察の実験例

1、未受精卵をシャーレに移す

未受精卵をシャーレに移す

  • 班あたり小型シャーレ(直径3~6cm)2枚を用意する。
  • 容器ごと優しく撹拌し未受精卵を均一にしてから、それぞれのシャーレに卵を入れる。
    (容器は小型のビーカーやサンプルビンでも構いません。お送りした卵がすべて大丈夫なら1クラスあたり50mlの卵が3種類あります。)

2、精子を希釈する

精子を希釈する

  • 小型シャーレに海水を5ml 程度入れる。
  • 精子の容器からピペットの先端に少量の精子をつける。
  • ピペットの先端についた精子を、海水で希釈する。(ピペットをおおきく吸ったり吐いたりすればOK)

3、受精する

壊れた卵

  • 各班2枚のシャーレ(未受精卵入)の1枚に、希釈した精子を数滴加える。(多めに入れた方が精子が観察しやすい)
  • シャーレを揺すったり、ピペットでかきまぜて、 精子を均一に行き渡らせる。
  • 精子を加えた時刻を記録する(受精時刻)。

注意!

精子をとったピペットを未受精卵の容器に使わないこと。

受精卵をとるピペットと未受精卵をとるピペットは色分けするなどして区別すること。

 未受精卵に精子が入ると受精してしまいます。

4、観察する

壊れた卵

未受精卵、受精卵の2枚のシャーレを各班に配る。

それぞれをスライドグラスに1滴のせ、カバーグラスをかけて観察する。(ホールスライドグラスがベター)(顕微鏡の“しぼり”はしぼる)

観察のポイント

卵と精子の違い(大きさ、動き)。
受精後の卵の変化(周りに膜ができ他の精子は卵に近づけなくなる)。

受精の瞬間の観察

精子を加えてから1分もしないうちに受精膜ができます。その様子を観察してみましょう。

壊れた卵

  • スライドグラスに、未受精卵を1滴と、精子の希釈液を1滴、少し離してのせる。(未受精卵と精子ば別々のピペットを使うこと!)
  • カバーグラスは使わずに、顕微鏡にのせ、対物レンズ10倍で、未受精卵にピントを合わせる。(40倍のレンズは使わないこと!)

壊れた卵

  • 精子の希釈液に近い所の未受精卵が見えるようにスライドグラスを動かす。鉛筆の先などで精子の希釈液と未受精卵の海水をつなげる。
    精子の水滴のそばの卵から、精子が群がる。受精膜があがる様子を観察する
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寒冷地の学校への注意

温度が10℃以下ではうまく発生しません。翌日にかけての発生を観察するときに、恒温機がない、暖房が切れるなどで、夜間に室温が10℃以下になる場合は工夫が必要です。

※20℃の水を入れた2リットルのペットボトルを4本、発泡スチロールの箱に入れてふたをすると、外気温4℃でも翌朝まで箱の中は10℃以上が保たれました。

その後の発生の観察

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受精後、発生にかかる時間の目安(18℃)

2細胞期 1時間30分
4細胞期 2時間10分
8細胞期 2時間50分
16細胞期 3時間30分
ふ化(胞胚) 12時間
(胞胚が受精膜をやぶって泳ぎだす)
原腸胚 20~24時間
プリスム幼生 36時間
プルテウス幼生 48時間以降

このあと、植物プランクトンを餌にプルテウス幼生は成長し1ヶ月ほどでウニの形に変ります。

注意:条件によってかかる時間は変ります。温度が低いと発生がゆっくり進みます。

  00 実験マニュアルPDFはこちら

事前研修

この事業参加に必須ではありませんが、実験方法に不安のある方は是非ご利用ください。
3つのタイプがあります。

日帰り研修

11月以降に研修希望者の可能な日程に合わせて湾岸生物教育研究センター(館山)で随時実施します。3時間程度。

訪問研修

11月以降に日程を調整の上、希望者の学校で随時実施します。3時間程度。
(訪問研修の実施条件:教材配布を今年度受ける複数の学校の教員が受講すること)

宿泊研修

12月27-28日に湾岸生物教育研究センターにて(1日目 13時開始、2日目 正午終了)

ウニの受精・発生の実験、幼生の飼育、成体への変態誘導、その他この事業に参加されない方でも、研修への参加を歓迎いたします。
申込書に必要事項を記入してください。研修の日程調整のため、お早めに!

お茶の水女子大学 湾岸生物教育研究センター

〒294-0301 千葉県館山市香11
Tel 0470-29-0838 FAX 0470-20-9011